ニートになって初めて分かった「セルフコントロールの難しさ」
こんにちは、カナです。
前回はこのブログと私自身について紹介しましたが、今回は早くもニート生活一か月を迎える私の、現在の状況についてお話ししたいと思います。
ニートの生活の実情は、一般の人にとって想像しにくい部分もあると思います(そんなことを想像する必要はもちろんありませんが……)。
学生の方も、仕事をしている方も、「働かず学校にも行かず、好きなことだけして生きていけるなんて、ニートはいいご身分だよなぁ」と思ったことがあるのではないでしょうか。笑
私もそう思ったことがありました。「一生遊んで暮らしていけるなら、みんなその方がいいに決まっているだろう」と…。
しかし実際に経験してみて、ニートは楽しいことばかりではないのだと気づきました。「働かなくていいから幸せ」と考えてしまうのは、やや安直でした。
ここではニート生活の困難について、私が感じたことをもとに書いていきます。
※
本記事は決してニートを推奨しているわけではありません。私は現在求職中で、ニートの脱却を目指しているところです。今回は自戒も込めて投稿します。
ニートが送る「自由」な生活
ニートは仕事にも学校にも行かないので、24時間を自由に使うことができます。この「自由」という甘い響きに憧れを抱く人は多いでしょう。
私も学生時代は、幾度となくこう思ったものです。
「一か月でいいからバイトも学校も休みにして、毎日を自由に過ごしてみたい」
しかし実際にニートとなった私は、理想とはかけ離れた一か月を送ることになりました。
本記事では、ニートが理想の生活を送れない4つの原因を考察します。
1.日々の計画を立てられない―「今日、何したらいい?」
仕事も勉強もしなくていい毎日。
そんな夢のような毎日が始まる度、こう思うのです。
「今日は、何をしたらいいんだろう」
好きなことをすればいいじゃないか。そのために就職から逃げたんだろう。と私も思います。しかし好きなことをすると言っても、何をどの順番でやればいいのか、何に向かって頑張ればいいのか……
具体的な一日の進め方が、まるで分からなくなってしまったのです。
受験生時代、私の目標はただ一つ「大学に合格すること」でした。
部活で絵も描きたいし、ハンドメイドにも手を付けたいけれど、とりあえず勉強が最優先(優先できない時もありましたが)。「何をしたらいいんだろう」なんて思うことはありません。勉強をして、試験日までに問題を解けるようになればいい。そうすれば大学に合格できる。
達成できるかどうかはさておき、そこには具体的で明確な道筋がありました。
だけど今は違います。漠然とやりたいこと・叶えたい夢はあるけれど、何をすれば目標を達成できるのか分かりません。
試験を受けて点数をとれば夢がかなうわけでもありません。
「今日は何をすればいいのだろう、何をすれば夢に近づいていけるのだろう」
そんなことを考えながらぼーっと食事をして、家族がつけたテレビやスマホを眺めているうちに、一日が終わっていきます。
ニートが生活を自由にコントロールできない一つ目の原因は、計画をうまく立てられないことです。
計画というのは、達成したい目標に対する日々のタスクのことで、簡単に言えば、毎日の「やることリスト」です。
計画を立てられないから、毎日何をすればいいのか分からず、一向に前に進めない。
自由を謳歌することができない一番の原因と言えるかもしれません。
2.行動のモチベーションが低下する―曖昧な夢がもたらす弊害
もし夢が「保育士になること」だったら、資格をとって求人に応募すれば、いつかは叶います。
「50mを7秒台で走ること」だったら、毎日走り続けていれば叶うかもしれません。
だけど、私の夢は、創作をしたい、創作で食べていきたい…というように、叶え方が曖昧なものでした。
スポーツでも勉強でもない芸術という分野において、何が優れているのか、どうしたら成功できるのかは、ほとんど未知の領域です(素人なので)。
そのため、先ほど述べた通り、計画さえうまく立てられなくなります。仮に計画ができたとしても、その内容が夢に繋がっているかどうかは分かりません。
頑張って進んでも、道を間違えている可能性があるのです。そんな計画を実行することに、モチベーションを維持できるでしょうか?
ニートが生活を自由にコントロールできない二つ目の原因は、行動のモチベーションが低下することです。
曖昧な夢を計画に落とし込むだけでも大変ですが、その計画を実行するのはさらに難しいことです。やる価値があるのか分からないタスクは、行動のモチベーションを著しく低下させます。
その結果、計画を放棄し、思い描いていた生活を送ることができなくなるのです。
(もっとも、私がだらしないだけという可能性はありますが…。)
3.「やりたいこと」が「やらなくてもいいこと」になる
私の学生時代は、
「夏休みに入ったら、今まで時間がなくてやれなかったことを、思う存分やるんだ!」
「やりたいことがたくさんあるけど、この期末試験を乗り切るまでは我慢しよう」
と言って、やりたいことを後回しにすることが多くありました。
しかしいざ休みに入ると思うように活動できず、なんとなくだらだらして一日が終わってしまう。
そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。
学校の期末試験やレポートに追われていた頃は、あんなにやりたくてやりたくてたまらなかったのに、どうしてできなくなってしまうのか?
それは、「やりたいこと」が「やらなくてもいいこと」だからです。
やらなくても、学校の成績が下がって受験に響くことはない。
やらなくても、単位を落として卒業できない、なんてこともない。
「やりたい」という自分の気持ち以外に強制力がはたらかないから、怠惰な人間は行動できなくなるというわけです。
また、やりたいことには締切がありません。「いつやり始めてもいい」と思うと、なんとなく行動を先延ばしにしてしまいます。
(元々アクティブな人は、強制力なんてなくても自発的に行動できるので、また話が違ってきますが……ニートになりたいなんて言うのはおおよそパッシブ(受け身)な人間でしょうから…。)
ニートが生活を自由にコントロールできない三つ目の原因は、「やりたいこと」が「やらなくてもいいこと」に変わってしまうことです。
締切もない、強制もされない「やりたいこと」は、やらなくても誰も困りません。
怠惰で生ぬるい生活に心が侵食されて、「やりたいこと」はどんどん後回しにされていきます。そうして、自由と夢に溢れていたはずの生活は実現しなくなります。
4.一日の「軸」がない―タスクや締切がくれていたもの
例えば
9時から15時までバイトをして、家に帰ってすぐ行動を開始するのと、
12時近くまで布団で過ごし、お昼ご飯をだらだら食べてスマホをいじってから活動し始めるのとでは、
正味の活動時間は大差ないと思いませんか?
バイトがある日は、バイトを「軸」にして一日のスケジュールを組めるため、無駄な時間を生みにくいのです。
(※軸=メインスケジュールという意味合いで考えてください。)
また、締切のあるタスクも一日の「軸」になり得ます。
例えば「今日はこのレポートに、優先的に取り組もう」と決めれば、それが一日の軸となります。そして「すきま時間を使う」という感覚で、レポート以外の活動にも取り組みやすくなるのです。
ニートが生活を自由にコントロールできない四つ目の原因は、一日の中に「軸」となるものがないことです。
「学校(授業)を軸にして、帰宅してからの時間でレポートと復習、さらに時間が余ったら絵を描こう。」「バイトを軸にして、それ以外の時間は趣味に使おう。」というように、絶対にやるべき「軸」があるからこそ、その他の時間が活きるのです。
軸がないニートの毎日は、どの時間に何をやっても自由なため、活動のペースがどうしてもゆるくなってしまいます。その結果、軸のある毎日に比べて、充実した日々を送ることができなくなるのです。
まとめ
Q:
「夢を叶えるために就職をやめてニートになったのに、どうしてそんな怠けた生活をしているのか?」
A:
「計画が立てられなくて、何をしたらいいか分からないから。」
「モチベーションが上がらなくて、行動できないから。」
「やらなくてもいいと思うと、どうしても怠けてしまうから。」
「毎日”やるべきこと”がなくて、なんとなくだらけてしまうから。」
Q&A形式でこの記事をまとめると、こんな感じになります。笑
自由な生活をコントロールするのはとても難しいものです。
この一か月、私は自分のセルフコントロール力のなさを痛感しました。
もしニートに夢を見ている人がいるならば、それはきっと理想の生活とかけ離れたものになるでしょう、とお伝えしておきます。
私は一刻も早く、この生活から脱却できるよう頑張っていきます。
ニートの精神的ストレスに関するこちらの記事も、よろしければご覧ください。
sorashirokaidan.hatenablog.com
ニートの戯言を最後までお聞きいただき、ありがとうございました。